先生の条件
塾業に入ったころ、美人の先生が結婚することになり、話題になった。その中で本人が面白いことを言っていた。
「大卒の女は子育てに向かないんだってぇ。」
現実はどうか知らないが、当時、その理由に感動した。
「大卒の女は頭で考えちゃうから、子どもを子どもとして扱えない。つまり、大人扱いしてしまって、子どもゆえの失敗が理解できない。「どうしてそういうことするの?」と考えちゃうんだって。」とのことだった。
私はそれを聞いてなるほどと思った。
ただ、これは女性の子育てに限ったことではない。
子どもは予測不可能なことをする生きものだ。それを考慮に入れた対応が求められる。「なぜそんなことするんだ?」とか「信じられない。」ではないのだ。
今の子どもは躾ができていない?
たしかにそのとおり。
けど、嘆いてばかりいても始まらない。きちんと給料をもらってんだから、仕事をすべきである。躾ができていないなら、まず、躾るべきだろう。それができないなら先生なんてならなければいいのだ。
高校生、いや、大学生、社会人だってまだ子どもだ。姿は大人でもやることが子どもだ。そういう『ナマモノ』と接するから先生業は面白い。
カルチャーセンターあたりなら、もともとモチベーションの高い社会人が集まるから、ただ喋っているだけで良いのかもしれない。けど、子どものお守りも兼ねた学習塾、大人の姿をした受験生があつまる予備校とは違う。
そう。
外国人がいる日本語学校もそうだ。
子どもを大人扱いしてしまい『けしからん!』という先生は、カルチャーセンターへ行けばいいのだ。
塾屋・須藤道
|