心が全ての始まり

　　子どもの頃しか見えないものがある。

　　人に見えないものが見える時がある。

　　残念ながら、私には、妖精や幽霊は見えない。

　　別に見たいとも思わなかったし、見られるとも思っていなかった。

　　けど、

　　それが見える人ってすごく幸せな人じゃないかと、

　　大人になってから気がついた。

　　昔は馬鹿にしていたけど、本当に幸運な人なんだと感じ始めた。

　　私には見えない。

　　けど、見える人の、そんな優しい人たちの心がわかるようになった。

　　なぜなら、私にも信じるものが見つかったから…。

　　他人がやったら馬鹿に違いないと、私も思うだろう。

　　けど、私も信じてるんだ。

　　『 いつかきっと、ピナンシャルへ行ける 』と。

　　『 いつかきっと自分の船で行ける 』と…。

　　そう信じているから、

　　ライオンさんの幽霊は見えなくても、見える人の心を信じるよ。

　　ベルトサタンには会ったことないけど、それを信じる人の心を信じるよ。

　　私だって、

　　遥か数千キロの彼方にいるクロヒ・トシーと会えると信じているから。

　　俺には友達がいるんだ。

　　その友達は、水平線の彼方に住んでいるんだ。

　　そして、そのダチ公と約束したんだ。

　　おまえンちへ、俺の船で行くって。

　　『信じればきっとかなう。』 　『やればできる。』

　　…私にとって大嫌いな言葉だ。

　　けど、ある女性が教えてくれた。

　　　　信じても失敗するかもしれない。

　　　　信じても、かなわないかもしれない。

　　　　けど、信じることがすべての始まりであり、信じる心が全てなんだ。

　　　　信じるから前へ進める…。

　　　　信じることからすべてが始まる…。

　　　　心が全ての始まり…。

　　信じていれば奇跡が起きて成功する、なんて話は、

　　あくまでも漫画やテレビドラマの話。

　　けど、現実社会でも、

　　信じることから始めなければ何も始まらないんだ。

　　宇宙飛行士、オリンピック選手、

　　そんなすごい人たちだって、信じることから始めたんだ。

　　そして、人に夢を与える、人に希望を与える。

　　人に人の可能性を見せられる。

　　私にはそんなことできそうもないから、

　　自分の信じたことをやってみるしかない。

　　数千キロ彼方の水平線を目指す…。

　　本当、信じたところで叶わないかもしれないね。

　　夢のまま、寝ぼけたまま、人生が終わるかもしれないね。

　　けど、後悔したり落ち込んだりしない。

　　　信じることで、今と違う自分に会えたのだから。

　　君も信じられる何か、探してみないか？

　　誰も笑ったりしないさ。

　　信じられるものがない人生なんて、意味ないじゃないか。

　　君が信じた夢は、君の大切な宝物だ！！

　　　私は信じてやってみるよ。

　　　ピナンシャルへ行けるって…。

スドンケン・シュタイン