はやぶさ
はやぶさに乗りました。
しかし、ハヤブサと言っても、これ↓ではありません。
これです↓。
人生で一番惨めな時っていつだろうかと考えると、一番ってことが思い浮かびません。
惨めな時ってのは何回もあって、一番二番なんて順位はつけられず、その時その時の苦労がありました。
その中でも特に印象的で惨めな生活を送っていた時…。
それは、自宅から遠く茅ヶ崎まで通っていたころです。
帰宅が毎日終電。
本当に惨めを絵にかいたような生活をしていました。
泣きたかったです。
横浜駅で電車を待っていると、時間的に必ず『成田エクスプレス』と出くわしました。
海外旅行をするときは、いわゆる儀式として必ずこの成田エクスプレスに乗って成田空港へ行くのが常でした。
惨めな時、この成田エクスプレスを指を咥えて見つめていました。
『もう、乗ることも無いんだろうなぁ…。』
そんな思いでいると、涙が出そうなほど悲しく、惨めになりました。
一週間に一度、東海道線で寝台特急はやぶさ(富士と併結運転)に出会うことがありました。
仕事帰りに目撃しますので、会える日と会えない日がありました。
毎週金曜日が時間的に合う日だったのですが、はやぶさに会えた日は、何となくその週全体が良い週に思えてきて、少しばかり幸せになりました。
けど、そんなこと思ったところで、借金は増えるばかりだし、絶望的な日々を送るのに変わりはありませんでした。
そして、はやぶさを見送りながら
『俺は一生かかっても、あれに乗ることはないんだろうな。』
こんなことを考え、果てしなく惨めに落ち込んでいました。
その数年後…。
はやぶさに乗っている私がいました。
スドンケン・シュタイン
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