中華料理と中国料理
日本の中華街のほとんどが『広東系華僑』で、中華料理もほとんどの場合、広東料理を指しています。また、日本でいう『中華料理』とは、日本で食されている料理を指し、本場、中国の料理のことは『中国料理』と呼んでいます。
日本の中華料理は、日本人の食感に合わせた味付けがされており、また、ラーメン、焼き餃子、冷やし中華といった料理は、日本で生まれた日本オリジナルの中華料理です。実際、本物の中国人が、日本で中華料理を食べると、口に合わないそうです。まぁ、中国でかつ丼を食べた時の衝撃と似たようなものでしょうか(笑)。私たちが中国の料理と信じて疑わないラーメンとは、中国では、日本で言うところのうどんのことをさします。
俗に「中国人は二足なら親以外、四足なら机と椅子以外、走るものなら自動車以外、泳ぐものなら潜水艦以外、空を飛ぶものなら飛行機以外なんでも食ってしまう」と言われますが、これはあくまでも広東人のことを指し、中国人だからといって見境なくこのようなことを口にすると、相手によってはまったく通じません。それと同様、テレビで中国の食事事情を放送していたからといって、それが中国人に当てはまるというわけでもありません。ある地域の中国人が虫を食べていたのに驚いて、中国人と出会った際、『君の国では虫を食べるのか?』と聞いたところで、『何だ?こいつ』と思われるのが落ちです。もっとも、逆に、広大な国土と世界最大の人口、多彩な民族を自慢して『そうだ!』と答える中国人もいるくらいですが(笑)。
◆中国の八大料理:中国で最も一般的な料理区分
中国八大菜系 中国は、国土が広大で、気候、風土、産物、風俗、歴史、習慣などの生活環境・生活習慣も地域によって大きく異なります。そのため各地域特有の料理が数多く存在していますが、概ねに『八大菜系』と呼ばれる8種類と分けられています。
山東料理(さんとうりょうり)
山東地方の料理ですが、広く北京の料理も含みます。
四川料理(しせんりょうり)
とにかく、辛い!!
写真は日本の中華料理店、および、現地の高級料理店のものですが、本物の、つまり、四川省の街角の四川料理は真っ赤っか!食事処に入ったところ、準備で並べられているどんぶりの底には、真っ赤な調味料がカッカと入っていて、色に見合った味でした。んでもって、実際に食べて、口から火を吹いていると、周囲の中国人がニヤついてました。『辛くないものはないのか?』と頼むと、『肉まん(マントウ)しかない』みたいな感じで勧められました。
湖南料理(こなんりょうり)
四川料理が『辛』なら、湖南料理は『酸』の味付けです。
江蘇料理(こうそりょうり)
浙江料理(せっこうりょうり)
安徽料理(あんきりょうり)
福建料理(ふっけんりょうり)
福建省、台湾の料理です。福建省の学生にごちそうしてもらいましたが、とにかく海産物が多かったです。われわれが福建省と聞くと、すぐに烏龍茶を想像してしまいますが、想像を裏切らない美味しさのお茶もお勧めです。
広東料理(かんとんりょうり)
日本でもおなじみの中華料理です。日本で中華料理と言えば、ほとんどが広東料理を指します。
◆日本の四大中華料理:日本の中華料理屋の区分
北京料理(山東料理の一部)
上海料理(江蘇料理の一部)
広東料理
四川料理
日本では、『十把一絡』(じゅっぱひとからげ)に中華料理とまとめてしまい、すごいのになると、本場中国にラーメンを食べに行くテレビ企画さえある始末(笑)。とりあえず、ここらへんを抑えていないと恥をかくだけだと思いますので、ぜひいろいろと見聞を広めてください。
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